1日目は、栃木県のブナ林を散策しました。
栃木県のブナは『太平洋側ブナ林』ですが、2日目は『日本海側ブナ林』の青森県鯵ヶ沢町から世界遺産である白神山地の周辺の山々に入りました。

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白神山地は青森県の南西部、秋田県との県境を挟み存在しています。
今回は、左図の赤いところ、鯵ヶ沢町と、白神山地を守る会の共同企画である「植樹フェスタ」に参加をする目的で行きました。


鯵ヶ沢町は、白神山地の世界遺産に登録された核心部のブナ林と、そこから流れ出る赤石川という川と、それが流れ込む日本海と、「山・川・海」と全てを兼ね備えた町です。
漁業も盛んなこの町は、ブナ林から流れ出る水によって海が豊かになるとして、白神山地をとても大切にしています。

鯵ヶ沢町は、豊かな農業と漁業が盛んです。
区画整理されず、山間にふさわしい、「四角じゃない」田んぼ。
昔ながらの日本の農業って雰囲気で私は大好きです。



旅の第一目的。
「ブナの植樹」。



植樹場所に行ってみて思ったこと。
「ブナがない!!」
植樹するくらいだから当たり前かもしれないけど、よく見かけるスギの人工林でした。


ブナは漢字で書くと
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木辺に「無い」ですよ。
ブナは水分を非常に多く含むので、木材として利用するには乾燥がかなり困難だったようです。
日本人は、乾燥に手間取るブナの木を、木材として利用することは避けてきたんですね。
だから、昔の人は「木材では無い木」として、こんな漢字を当てはめたんでしょう。仮説ですが。
なので、白神山地のようなブナ林でも、はるか昔はブナを伐採してスギの人工林を作ってきたんです。
有名な世界遺産としての白神山地は、130,000haあるうちの、わずか16,971haしかありません。
その周囲の白神山地は、伐採されたりスギを植えたりされてきたんです。
ところが、伐採してみると周囲の川は汚れ、海でも魚が減りました。
そこで初めて、ブナ林の重要性が見直されたわけです。
今回の植樹場所も、かつてスギを植えた人工林で、スギを切ってブナの植樹場所を確保した…という場所でした。
雪の多いこの地域は、スギを植えても、根元から曲がってしまい、これまた木材としての利用価値はほとんどありません。

分かりますか?
スギの木ですが、こんなにも根元が曲がっています。
雪の重みに耐えるため、こんな風に幹がしなってしまうんです。



それでも、太陽を浴びようと上に上に伸びてます。
でも曲がっているわけですから、木材としては使いにくいですね。



植樹場所の周囲はヤマブドウの木がびっしり生えていました。



まだまだ花が咲き終わったばかりですが、実が生り始めてます。



この辺りの地質は、硬い岩礫の固まりのようでした。


3~4年、ポットで育てたブナの苗木を、ひとつひとつ穴を掘って植えていきます。
ブナの苗木の天敵は主にノウサギです。
食べられないように、植えたあと竹を支柱にして、ネットを被せます。
このネット、トウモロコシでできた繊維のネットなので、数年経てば土に還ります。



およそ200人近い人が県内外から集まりました。
定員は300人だったので、苗木が予想以上に多く、一人あたり10本近く植えたかな。



ところ狭しと苗木がビッシリ。
この中で何割のブナが数十年後まで生き残るかな。
私たちが生きている頃にはまだ2~3mほどにしかならないだろうけど、孫、ひ孫の世代に残ってくれることを願って、植樹地をあとにしました。



午後は、散策です。
私が選んだコースは林野庁が「巨木を育む森」に指定した「遺伝保存林」。
世界遺産に登録されている森ではないですが、それでも樹齢200年~400年以上もたつブナが育つ森です。



ここへきて、ようやくイメージ通りのブナ林にご対面。
まっすぐ伸びるブナと、林冠を覆うブナの葉。
緑色の世界にとろけそうでした。



根元はやっぱり曲がってます。
こうやってしなることで、5m以上降り積もる雪にも耐えられるんですね。



ブナの木にしか生えないといわれるキノコの「ブナハリタケ」。
私はきのこの知識は全くないのですが、きのこが好きな人たちは大歓声をあげてました。
(おいしいらしい)



白神山地のブナ林の林床はシダが生えてました。
ポツポツとササも生えていましたが、それは葉裏に毛のない「チシマザサ」という種類。



なんの変哲もないようなブナに見えますか?


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あ~ら、ビックリ。
クマの足跡がついてます。
クマは実は木登り大得意。
冬眠から目覚めたばかりのクマは、ブナの新芽を食べるんです。
また、冬眠前にはブナのどんぐりを食べるんです。
まさにブナはクマの大好物な木なんですね。
(クマに出会って、木に登っても無駄ですよ。逃げてくださいね)



山から帰ってきた時間で見た日本海。
曇ってますが、いい天気ならこの海の向こうには北海道が見えるハズ。
本州の北端にいるんだな~ってしみじみ思いました。



温泉探して山道さまよっていたら、深い霧に包まれました。
10m先は真っ白い世界。
ちょっと怖かった。



(青森県鯵ヶ沢町)