一晩を、白神山地を守る会の「田舎ハウス」で過ごしました。
周りをぐるりと田んぼに囲まれ、虫の声しか聞こえない宿舎。
淋しく、少し怖くもあったけれど、情緒のある家でした。


植樹フェスタの2日目は、鯵ヶ沢町主催の散策会です。
私が選んだコースは、世界遺産に登録されている核心部からはかなり離れてはいるけれど、それでも原生的なブナ林が残っている「ミニ白神」トレッキングコース。



入るには、入山証が必要です。
許可を取れば一人でも入ることは可能だけど、ガイドさんと一緒だと楽しさも倍増ですよ。



白神に精通したガイドさんと一緒に回りました。
同伴の方も、話に夢中です。



ブナ林によく見られる「ミズナラ」の木。



葉柄がほとんど無いのが特徴です。



オニグルミの実です。
これは私たちが普通に見かけるクルミですね。
ネズミやリスの大好物です。



雨こそ降らなかったけど、うっすらと霧かかってます。



ブナの森の中に霧がかかると、どうしてこう幻想的に見えるんでしょう。
このまま森に溶け込みたくなりますよ。



ちょっと分かりづらいけど。
「ハイイヌガヤ」です。
寒い地方にしかない、または高山にしかないカヤの仲間です。
その名の通り、地面に這いながら生えるんです。



しばらく進むと、源水地に出ました。
今目の前に流れている水は、100年前の雨が染み出ているものだそうです。
ブナは樹齢が40年ほど経つと、1本当たり7トンもの水を貯蔵するそうです。


100年ほどかけて、ゆっくりじっくり漉して清水にして、川に流すんですね。
生まれる前に降っていた雨水が今目の前にあると思うと、なんともいえない気持ちになりました。

これはチシマザサ。
栃木の太平洋型ブナ林にあったミヤコザサと違って、葉裏に毛が生えていません。
触るとすぐ分かりますよ。



幹が凹んでいるのが分かりますか?



専門家の間では、ブナには葉で受けた水を枝から幹を通して根まで運ぶように、水の通り道が幹にあると、説があります。
それが本当なら、ブナが水を蓄えるためにあみだした自然の力ですね。



ミニ白神も中心部にくると、林床がほとんど草の生えてない場所に出ました。
本来のブナ林は林床には草は生えていません。



というのも、ブナは太陽をできるだけ浴びようと、樹冠をめいっぱい葉を広げて占領してます。
だから林床部まで光が届かないんです。



ここにもクマの爪あとがありました。
しっかり5つ爪の跡。
2日目のレポートにあった爪は下りるときの爪あと。
これは登るときの爪あとですね。


これで、植樹フェスタのイベントは終了です。
ここまでで思ったことは、白神の中を案内するガイドさんを見て、あぁ、私はこういう仕事を本来したかったんだよな、と思い出しました。
そもそもこのホームページを立ち上げたのだって、観察会をすることが第一目的だった。
仕事が忙しい…を理由に、なんとなく避けてきてしまった「環境教育者」の夢だけど、もう一度奮起しようかと思います。
ステキなガイドだった。
話ひとつをとっても、つい惹かれて聞いてしまう。
思わず「へ~~~~」と感心&納得することができる。
私もそういう観察会を開きたいと、思いました。


さて、ここからは個人の目的のために動きます。
白神山地の中でも西に位置する「十二湖(じゅうにこ)」。
その名の通り、湖や池が12個あることからそう呼ばれているスポットです。
もちろん、湖や池の元はブナ林から染み出た清水です。



←憧れ続けてきた「青池」。
ずっと写真を撮りたくて探していた場所です。
「青インクを垂らしたような」と形容されるほど、不思議な青色をしている池です。



深くて青いんだろうと思われるでしょうが、一番深くて9mしかありません。
しかも、倒れこんだブナの倒木が透けて見えるほど。
しかも角度変わると青くないし。
まだ、なぜ青いのか科学的に解明されていないほど不思議な池です。



清水を浴びて、池のそばでは豊かな森の証、苔が生えています。



旅の中で、一度も青空を出さなかったのに、この日全てが終わって帰るだけ~という頃になって、初めて晴れ間を見せました。
初めてハッキリ見た白神の山並み。



深い緑は樹齢数百年経つ木が多いことを示しています。
どこまでも続く「ジャングル」のような雰囲気です。



一瞬だけ晴れたようで、雲は急いで流れていったように、かぎ状に流れています。
せっかくでて晴れ間を前に、帰りたくなくなりました。
もう一泊しよっかな、なんて思ったり。



数分経つと、また深い霧に覆われました。
帰る私のために、特別に青空を見せてくれたみたいだ。



長いようで短かった。
短いようで長かった旅程も、これで終わり。
想像以上に満足できる山並みを見て、住みたくなったほど。
まだまだ見足りない部分が多くて、また近いうちに行こうと思う。
今回の旅で得たものは、白神山地という大自然に触れただけでなく、県内外から集まった「白神or自然を大切にしよう!残そう!」と思っている人たちにめぐり合えたことが一番です。
一人旅だったのもあるけど、みなさん本当に心温かい人ばかりで、私の人懐っこい性格も役立ち、親切にして頂きました。
また地元の人たちも優しい人ばかりで、東北の人たちは心に余裕があって気持ちが豊かになれるんだなって勝手に思いました。
帰ってきて、東京の空を見上げたとき、同じ遠くが霞んでいるってのも、排気ガスやらの霞で、しかも空気が灰色に見えてビックリした。
比べるとこうも違うものかと感じました。
よく、こんな空の下で人間って生きることが出来るなと思いました。
次に青森に行くときは、列車で行こうと反省しました。
でも、次っていつだろ*o_ _)oバタッ
とにかく、楽しかった。満足だった。嬉しかった。感動した。
以上、旅行記でした。

(青森県鯵ヶ沢町)