雨ってなぜ降るの?
空から降ってくる雨。命ある生物にとって、なくてはならないものだけど、でも不思議。
普段はぽっかり静かに浮いている雲から、シトシト降り注ぐ雨。
雨は雲から生まれるもの。
じゃあ、どうやって雲から雨になるか、見てみよう。
空に浮かんでいる雲の粒の大きさは、半径約0.01㎜。
これが様々な過程を経て大きく成長する。
この大きくなったものが、重力に引かれて落下し、地上に到達したものが雨なんだ。
雲から雨に成長する過程を「降水機構」と言って、その降水機構には暖かい雨と冷たい雨の2種類があるんだよ。
その雨の種類は、雨になる前の雲の気温によるんだ。
◆ 水滴と水蒸気の合体(拡散過程)
空気の中に、水蒸気が多く存在する状態(過飽和状態)の時、雲粒である水滴が合体して、しだいに成長していく過程のことを「拡散(かくさん)過程」と言います。
ただし、それぞれの雲粒が水蒸気をある程度吸収すると、雲粒の数に対して水蒸気分子の数が足りなくなり、水蒸気分子を取り合う状態になります。
なので、ある程度まで成長するにつれて、なかなか吸収することができずに成長が遅くなります。
なかなか雨粒に変化することができないまま地上に降りてしまいます。
この時の水滴の大きさは直径約0.5㎜未満。
こういった雨のことを「霧雨」と言います。
◆ 水滴と水滴の合体(併合過程)
雲の中の、比較的大きな水滴が、落下する間に小さな水滴を吸収して成長する過程のことを「併合(へいごう)過程」と言います。
大きな雲粒は、小さな雲粒より速く落下して、小さな雲粒と衝突・合体してどんどん大きく成長するから、雨粒の成長が加速度的に進むんだ。
熱帯の海から盛んに蒸発する水蒸気が作り出した発達した雨雲は、猛烈なスコールを降らせる。
これが暖かい雨の典型的な例。
発達した雲の中は上昇気流が流れていて、大きな雲粒はどんどん小さな雲粒と合体していくし、さらに、海洋上では陸地に比べて、水蒸気分子の取り合いも少なく、雲から雨に変わるまでの時間が30分くらいしかかからないんだよ。
◆ 水蒸気の昇華
0℃以下の雲の中には、水蒸気が昇華して出来た氷晶が存在しています。
このとき、過冷却な水滴(0℃以下でも水滴な状態)が-20℃までは多く混在しています。
※ -40℃以下になると、100%氷晶の塊の氷雲となります。
氷晶は水滴を吸い付ける性質があります。
氷の粒子に過冷却水滴がぶつかると、水滴は凍りついて、氷の粒子は色んな形に成長します。
◆ 氷粒子の成長と落下
水滴を吸収して重くなると、重力に引かれて落下します。
●雪やあられの場合
落下しながら、次々に水滴と衝突し、氷晶は急速に成長します。
地上付近の気温が0℃以下だと、溶けずにそのまま雪やあられとなって降ります。
●ひょうの場合
落下するときに、雲の中に上昇気流が吹いていると、落下速度が弱まり、その間にたくさんの水滴を吸収することになります。
大きくなった氷晶は、ひょうとなり、地上へ降ります。
●雨の場合
あられやひょうが衝突して生じた破片や、あられ・ひょう自体が、気温0℃以上のところまで落下すると、溶けて雨粒になります。
雪解け水は痛いほど冷たいでしょう?
氷から変化した雨だから冷たいし、寒いんです。
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